金本阪神にアクシデントが発生した。高知・安芸での秋季キャンプに参加していた小野泰己投手(23)が右膝の痛みを訴え、12日に緊急帰阪した。高校時代に右膝半月板を痛め、手術した過去がある。今日13日に検査する予定。2年目の来季は金本知憲監督(49)の期待も高く、開幕ローテーション入りを狙える存在だけに、重傷の場合はチームにとって大きな打撃になる。

 今後に大きな不安を残す離脱になった。小野が高知・安芸の秋季キャンプから姿を消した。右膝痛を訴え、空路で緊急帰阪。午後には兵庫・西宮市内の寮に戻った。「練習を続けるのは厳しいというのがあったので、トレーナーと話し合って(決めた)」。自力で歩いていたが、無念の表情だった。前クールから痛みを覚えていたようだが、練習の継続は困難と判断。香田投手コーチは「腫れがあったらしい」と説明した。

 今日13日に検査を行うが、予断を許さない状況だ。右膝には故障歴があった。金本監督の表情が曇った。そしてショッキングな言葉が飛び出した。「古傷らしいね。高校時代に手術しているみたい。そういう情報はなかったけど…」。折尾愛真高の3年夏に、右膝の半月板を痛めていた。その影響で夏の大会は1イニングだけの登板に終わった。手術を経て、富士大でその実力を開花させた。

 重傷の場合は、チームにとって大打撃となる。先発陣の立て直しが今オフの課題に挙がっている。藤浪が不振に苦しみ、岩貞、青柳は伸び悩んでいる。小野はルーキーながら、今季は15試合に登板。勝ち星に恵まれず、2勝止まりだったが、直球のキレ味に指揮官はほれ込んでいる。今キャンプでも、才木とともに2年目の飛躍を期待していた。

 ケガの程度を聞かれると、金本監督の歯切れは悪かった。「これは分からん。明日、検査でしょ。心配だ」。開幕ローテーション入りが十分に狙える素材だけに、軽傷を願うばかりだ。長期離脱となれば、先発陣の駒不足はさらに深刻になる。戦力の底上げを誓い、猛練習中の金本阪神に暗雲が垂れ込めた。【田口真一郎】