巨人の若き左腕が、絶対的エースにつながる成長曲線を描く。田口が29日、東京・大手町の球団事務所で契約を更改。今季は2年連続2ケタ勝利となる13勝4敗で、4000万円増の年俸9000万円でサインした。

 それでも「まだまだ技量は足りない。目の前には菅野さんという大投手が走ってくれている。置いていかれないようにやっていけたら」と前日28日に入団6年目では球界最高額の4億5000万円で契約を更改した菅野を目標に掲げた。

 金額こそ違えど、入団後4年間は同じ上昇カーブを描いてきた。1年目の年俸は600万円。先発陣の軸となって侍ジャパン入りも果たし、入団5年目の年俸を15倍にした。菅野は同1500万円からスタートし、5年目の今季は15・3倍の同2億3000万円。WBCでもエースを務め、沢村賞受賞と名実ともに日本の大黒柱となった。

 田口は、その大きな背中を追う。「全部追い越すぞという気持ちでやっていかないとダメ。菅野さんに近い成績が残せるようにしたい」。球団では菅野以来の3年連続2ケタ勝利に向け、来季の目標を「15勝」と「防御率2・50以下」に設定した。「来年こそ最後はみんなで笑えるようにしたい」。エースと同じスピードで進化を遂げ、チームを4年ぶりVへの上昇気流に乗せる。(金額は推定)【浜本卓也】