舌出し打法で復活だ。ロッテ清田育宏外野手(31)が16日、ZOZOマリン室内でティー打撃を行ったが、なぜか、舌をペロリと出しながら振った。決して、ふざけてはいない。至って真剣だ。「力みをなくせれば。永遠の課題です」と説明した。

 きっかけは、球界を代表する右打者だった。「(ソフトバンク)内川さんは打つ時、舌を出してるなと思って。歯を食いしばらずに力むことは出来ない。ならば、舌を出せば食いしばれないから、力むこともないかなと」。さらに、今季ア・リーグMVPのアストロズ・アルトゥーベも舌を出して打つことを知った。「力まなければ、肩が開いた後もバットが出るのを我慢できる。粘れると思う」。メジャー屈指の好打者の画像に、自信を深めた。

 15年は自己ベストの打率3割1分7厘で、15本塁打を放った。だが、ここ2年は2割台前半に低迷。来季レギュラーは保証されていない。特に、今季は2度の2軍落ちで「正直、野球をやめたくなった時もあった」。何かを変えたかった。11月の台湾遠征後は、あえて1カ月間、バットを封印。野球人生初の試みで「うずうずするまで待った」。解禁し、取り組むのが舌出し打法だ。「あわてなきゃいけない立場だけど、もう8年目ですから」と、ドシッと構える。【古川真弥】

 ◆舌を出しながらプレーするスポーツ選手 投手では90年代に巨人で活躍したガルベスや、50歳まで現役を続けた中日山本昌が、投球時に舌を出すことで知られた。野球以外では、NBAのスーパースターだったマイケル・ジョーダンが有名。サッカー・アルゼンチン代表マラドーナは、ドリブル時に舌を出すことがあった。ゴルフでは、タイガー・ウッズがスイング時に舌を出していた時期がある。