テニスの王子様ならぬ、テニス打法の王子様だ! スイッチヒッターに挑戦中の阪神ドラフト3位の熊谷敬宥内野手(22=立大)が、左打ち習得のため“テニス打法”に取り組んでいることを明かした。

 3日、ドラフト1位の馬場とともに仙台市内で自主トレを公開。「(左打席は)マシンなど、前から来るボールはタイミングが合わなくて全然バットに当たらない状況です。まだバットの出し方がよくわからないです…」と左打ちに苦戦していることを明かした。

 俊足と堅実な守備力を生かすため、両打ちのチャレンジを始めたが、簡単ではなかった。どうしたらうまくバットを前に出せるのか-。懸命に動画を検索し、そこで出会ったのが“テニス打法”だった。

 「青木宣親さんの打ち方です。テニスラケットのように打つという感覚。左打ちをしたことのない自分にとって、わかりやすいです」。遠くに飛ばすことよりもラケットの面をボールに向けるイメージで、的確にミートすることに重点を置くのだという。「(左打席では)長打を打てる気がしないので、まずはバットの軌道を正して、狙ったところに打てるようにというのを心掛けています。遊び感覚を持ちながら手探りしている状態です」。

 今オフから取り組んでいるため苦戦中だが、二遊間はレギュラーが決まっていない状況。スイッチを習得すれば出場機会が拡大する可能性もある。イケメンと話題を呼ぶ新人が、テニス打法の王子様となって甲子園にやってくる。【真柴健】

 ◆熊谷敬宥(くまがい・たかひろ)1995年(平7)11月10日、宮城県生まれ。仙台育英から立大に進み、今春には主将を務めて59年ぶりの大学日本一に導いた。50メートル5秒8の脚力を生かしたベースランニング技術に加え、堅実な守備にも定評がある。175センチ、72キロ。右投げ右打ち。