信じて前に進む! 広島中崎翔太投手(25)が4日、マツダスタジアムで始動した。今年の漢字1字に「信」を選んだ右腕は、自信回復と信頼回復のため、調整を前倒し。練習後には今日5日からの自主トレ地となる三重へ移動した。スロースターターを脱却し、春先から好スタートを切るため、最善を尽くしてキャンプに臨む。

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 今年初めて本拠地マツダスタジアムに姿を見せた中崎は、キャッチボール相手塹江のミットを心地よく響かせた。走り込みから最長50メートル間のキャッチボールでは体の切れの良さを感じさせた。着用したゴーグルにも汗をにじませた右腕は、今年の漢字1字を問われると、迷わず「信」と即答した。

 「信念を持ってしっかり取り組んで、信用されるように結果を残したい。チームメート、ファンから信頼されるように言動で示していければいい」

 昨年はシーズン序盤に右腹部違和感で戦列を離れたこともあり10セーブに終わったが、3年連続50試合以上登板となる59試合に登板。シーズン終盤には抑えにも復帰し、防御率1・40の結果を残した。今季も抑えの最有力候補で、残り26の通算100セーブも射程に入れる。だが、過信はない。「1軍でしっかり戦力になれれば、どこでもいい。こだわりは特にない」と淡々と語る。まずは信頼回復と信頼向上を掲げる。

 自信はある。例年気温が上がらない春先は血行障害の影響から苦しんできたが、今オフは肉体改造とともに調整を前倒し。元日から地元鹿児島で初投げ。「今年は例年よりはいい」と胸を張る。練習後には自主トレ先の三重へ移動。新年早々ハードスケジュールをこなしている。

 初詣のおみくじは2年連続「大吉」だった。「2年連続でけがをしないようにしたい」と昨年と同じ轍(てつ)は踏まない。地に足をつけて、新年のスタートを切った。「まずはしっかり開幕1軍に入れる体を作ることが大事ですし、そこから1年間しっかり投げられる体を維持することが目標。1試合目を投げないことには何も始まらない」。ケガさえ無ければ結果を残せる自信はある。1歩1歩の積み重ねが、投手としての確信に変わっていくはずだ。【前原淳】