広島ドラフト1位の中村奨成捕手(18=広陵)がびっくり発言だ。昨夏甲子園で1大会個人最多6本塁打の強打の捕手。プロ入団後も捕手に強いこだわりを示していたが、14日、初めて他の守備位置に言及した。

 「キャッチャーだけだったらダメというか…。他のポジションをいつでも守れる準備が、ノックを受けている中で必要かなと思った。コンバートの準備をするわけじゃないですけど。キャッチャーだけでいいと思ったが、上の世界で生きていくためには、何があるか分からないし、どこでも守れた方が実際にいけと言われた時に楽だと思った」

 球団からの指示ではなく、内外野用のグラブ新調も否定した。ただ新人合同自主トレでノックを受けながら、少しずついろんな考えが浮かんでいるようだ。

 この日は広島大学病院で体力測定。新人選手の中で総合トップの数値を計測し、オールラウンダーとしての潜在能力を証明した。「平均値を超えたのはいいが、やるからには1番を目指したい。野球で言えば3拍子そろった選手になりたい」。捕手最優先の姿勢に変わりない。“備え”を頭の片隅に置きながら、1歩ずつ階段を上がっていく。

 ◆U18W杯 昨年9月にカナダ・サンダーベイで行われた。日本は米国に敗れ3位。早実・清宮幸太郎が主将を務め、履正社・安田尚憲、広陵・中村奨成らが出場した。大会直前、8月30日付の日刊スポーツには奨成、清宮、安田の頭文字をとって「SKY砲」の見出しが躍った。