【スコッツデール(米アリゾナ州)1月30日(日本時間31日)=木下大輔、中島宙恵】日本ハムのドラフト1位清宮幸太郎内野手(18=早実)が、2月1日(同2日未明)から始まるキャンプで、別メニュースタートの可能性が高まった。先乗り自主トレ2日目は、打撃練習を回避。18日の練習中に右手親指を痛め、27日から打撃練習を再開して段階を踏んできたが、ここへきて足踏みとなった。

 午前9時、クラブハウスから練習場に向かう清宮の姿は明らかにおかしかった。バットがない。「大事を取ってという感じです。トレーナーと話して、打撃練習をやめておくかということになりました」。18日の新人合同自主トレで痛めた右手親指は、段階的に打撃練習を再開するなど回復に向かっているはずだった。それが、キャンプインまであと2日のところで打撃練習回避。「もちろん打ちたい。打ちたいですよ、やっぱり」。スラッガーの本能を、ぐっと押し殺した。

 谷ヘッドトレーナーは「疲労感が少し出ていた。(患部を)かばっているような動作があり、打撃フォームに問題が出ると困る」と説明した。当初のもくろみでは、全体メニューをこなせる状態で1日を迎えるはずだったが、現状ではキャンプ初日からフルメニューを消化するのは厳しい。栗山監督は「いろいろ話して方向性を決めた。どこか、おかしいままやるべきじゃない」と話し「やるべきことが(他に)あるんだよ。みんなと同じことをやる必要はない」と思いやった。

 先乗り自主トレ2日目は守備練習に時間を割いた清宮。フリー打撃は、三遊間でボール拾いをしながら見学し「楽しかった。皆さん、課題を持ってやっている。それが分かっただけで良かった」と満足そう。仕上げはトレーナーと走り方の矯正に取り組んだ。もともとX脚で「走ると外股だったので、ずっと直したいと思っていたんです」。映像をチェックして「格好良く走りたかったので、すごく良い機会だった。こういう日を大事にしたい」と穏やかな表情だった。

 今日31日(日本時間1日)は体の手入れにあてて、キャンプインに備える予定。逆境をプラスに捉え前へ進む気概がある限り、黄金ルーキーの前途は明るい。