投げなくても松坂祭りだ。中日松坂大輔投手(37)が3日、北谷キャンプ初の週末に集まった5000人の視線を独占した。森監督の指示で投手陣4人によるランチ特打を敢行。打撃自慢が力強く53スイングで、2本の柵越えを放った。

 「外で打つのは気持ちいいですね。(注目で)打たないといけない重圧もあったけど、入って良かった。お客さんが沸いてくれたので良かったです」。アーチをかけると場内の大拍手と同時に両手を上げて派手にガッツポーズ。安打性も16本に及んだ。野手の京田もベンチから見学するなど、本職の野手よりも注目を浴びた打撃練習だった。

 この日は予定通りのノースロー。ただ1人、キャッチボールすら行わない徹底ぶりだった。だが、決してファンを失望させない。練習後、自ら発案して単独サイン会の場を設けた。

 みるみる100メートル超の行列をなしたが、寒さもあり球団の設定は15分。5分延長して再び、スタッフと協議。松坂の希望でもう10分が追加された。全員への対応は到底無理だったが“おとこ気”は伝わっていた。

 前日は球場外でサインに応じ、人が押し寄せてトラブル寸前になった。球団はこの日から松坂専用の警備員を1人配置。5日からはもう1人増やす方針だ。松坂も「昨日みたいになると危ないので」とサイン会開催の意図を明かした。

 今日4日は日曜日、5日には2度目のブルペン入りが濃厚。北谷町は冷え込みを感じさせない激アツな日々が続く。【柏原誠】