頂点へ鍵を握るのは、この男だ。阪神藤浪晋太郎投手(23)が3日、沖縄・宜野座キャンプで2度目のブルペンに入り、56球を投げた。

 キャンプ2度目のブルペンに入った藤浪が制球力アップを印象づけた。変化球を交えながら56球。体の軸がブレないフォームから投げた38球のうち、ストライクボールは23球を数えた。

 「いい感覚、いいバランスで投げられています。ゾーンに収まっているのはもちろん、ボール(の質)自体もいい感じです」

 金本監督が捕手の後ろから鋭い視線を送り、審判と打者役もついてのマウンド。次々と審判の右手が上がった。直球のストライク率60%超という数字以上に、引っかからず抜けないボールは安定感を感じさせた。

 昨季は制球難に苦しみ、11試合登板で3勝どまり。計59イニングで45四球、8死球を改善するべく、オフは肉体強化に取り組んだ。1月は米国でドジャースFAのダルビッシュ、メジャー最高級左腕ドジャース・カーショーとの合同トレを敢行。ハードトレーニングの結果、安定したフォームを確立しつつある。

 サブグラウンドでは指揮官から直々に1時間のノックを受け、マシン打撃などでも精力的に汗を流した。チーム初実戦となる7日紅白戦での登板へ、現状で支障はない。【佐井陽介】