広島の高卒2年目、坂倉将吾捕手(19)がジャパン指揮官から活躍のお墨付きをもらった。日南キャンプの3日、チーム視察に訪れた侍ジャパン稲葉篤紀監督(45)から今後の注目選手の1人として挙げられた。春季キャンプ初の1軍スタートで奮闘している若ゴイにとって、まずは身近な目標とする開幕1軍への大きな励みになった。

 稲葉監督の言葉を伝え聞き、坂倉は感激しきりだった。「うれしいし、幸せという気持ちでいっぱい。名前を挙げてもらった分、より引き締めていかないといけない。そこで僕がぶれるということはない」。自分に厳しい若武者にとって、モチベーションが上がるプレゼントだった。

 稲葉監督は午前に来場。緒方監督と話し込み、3月の代表に選出した菊池を激励した。午後から西武キャンプ訪問のため打撃練習は見られなかったが、坂倉を注目の1人として絶賛した。

 「カープは若手が多くて楽しみ。坂倉選手の打撃は非常にいい。シャープで力強い。体は大きくないが、使い方がうまい。2020年(東京五輪の選出)は分からないが、これから野球界を背負っていく捕手になるんじゃないか」

 他に名前を口にした選手は丸、鈴木、田中、そして昨秋の代表戦に選出した西川と実績ある選手ばかり。まだ1軍出場3試合の坂倉への期待は、まさに異例だった。稲葉監督は2軍戦もテレビで数多くチェック。また昨年10月のみやざきフェニックス・リーグで日本ハムを率いた際、対戦した坂倉の打撃に目を引かれたという。

 19歳捕手は初の1軍春季キャンプで奮闘中。中学、高校と縁遠かった日本代表への思いは強い。「U-15、18と選ばれてこなかったし、選ばれたい。外国選手はパワーもある。そういうのを間近で見てみたい」。東京五輪出場は難しいかもしれないが、いつか日の丸を背負う夢がある。

 この日のフリー打撃でもシュアな打撃を披露した。計94スイングで安打性は38本。柵越えも2本マークした。「まずはチームの代表選手にならないといけない。身近なものをどんどん目標にしたい。今は開幕1軍。そういうスタートを切らせてもらったので、つかみたい」。捕手というポジション柄、守備にも妥協は許されない。走塁面も含め、レベルアップを図っていく。【大池和幸】