阪神のライバルを分析するため、日刊スポーツ評論家の桧山進次郎氏(48)が6日、沖縄・宜野湾のDeNAキャンプに潜入した。阪神から移籍した大和の加入により二遊間が厚みを増し、右翼のポジション争いも激しい。戦力的には広島や阪神と遜色がなく、桧山氏はリーグ制覇の機運が高まっていることを肌で感じた。【取材・構成=田口真一郎】

 DeNAにはラミレス監督をはじめ、同じリーグで戦った顔ぶれが首脳陣に多かった。桧山氏はあいさつを交わしつつ、精力的に調査を進めた。肌で感じたのは、チームにみなぎる「自信」だ。それは阪神、広島をクライマックスシリーズで撃破し、日本シリーズに進んだ経験から生まれたものだった。

 桧山氏 私は03年に初めて出場したが、あれほどの緊張感の中で野球をしたことはなかった。人生の宝になりました。あの舞台がDeNAの選手を成長させている、と感じました。今年は球団も一体になって優勝を狙いにいっています。ファンもその気になり、選手を後押しするでしょう。

 98年以来となる悲願達成に、戦力は整いつつある。筒香-ロペス-宮崎のクリーンアップは他球団を圧倒する。桧山氏は脇を固める選手に注目した。阪神から加入した大和がいる。昨年は盗塁、犠打数がリーグ最下位だったが、大和の存在は機動力の向上をもたらす。

 桧山氏 二遊間がおもしろい。倉本もセカンドの練習をしているし、大和と柴田の3人の争いになる。他の2人にない部分が大和にはある。それは足です。主軸の前を打つ1、2番が機能するかが鍵を握ります。

 さらに右翼を見れば、梶谷が2軍スタート。長打力のある高卒2年目の細川と新人神里を1軍に招集し、競わせている。この狙いも分析した。

 桧山氏 状態が良ければ、足もある梶谷を使いたいはず。ただ凡打の仕方が悪く、去年のような内容ならば使わないと思う。彼の奮起を促す意味合いもあるでしょう。

 効果的な補強で競争意識を刺激している。首脳陣とは投手の話題が多かったという。

 桧山氏 ドラフト1位、東の評判が良かった。「140キロ台後半が出る」と。この日打撃投手を務めた浜口もいいボールを投げていた。今永、石田もいて、左腕王国です。リリーフも形ができている。

 昨シーズンは2位阪神に4・5ゲーム差の3位に終わった。しかし今年は投打で底上げができそうだ。

 桧山氏 全体的にレベルが上がっているかな、と思った。戦力的には広島や阪神と遜色はない。ただ野手は大和が最年長と若い。それが長いシーズンでどう出るか。良くも悪くも若さが1年を左右します。