【スコッツデール(米アリゾナ州)12日(日本時間13日)=木下大輔、中島宙恵】期待の新戦力がベールを脱いだ。日本ハムの新外国人、ブライアン・ロドリゲス投手(26=パドレス3A)が紅白戦に紅組の先発として実戦初登板。打者の手元で動くムービングボールがさえて、2回をパーフェクトに抑えた。前評判通りの制球力の高さも示し、上々の新天地デビューとなった。

 まともにバットの芯に当てさせなかった。ロドリゲスが実力の一端を披露した。「今日はバッターを、しっかり攻めることが出来たよ」。初回、先頭の西川から、いきなり空振り三振を奪った。カウント1-2からの4球目、142キロのシンカーで空を斬らせた。対戦した西川も今季初実戦で調整段階とはいえ、驚いた。「なかなかロドリゲスは球が動いていた。初めて(打席に)立って打てる人がいたら、すごい」。最大級の賛辞で、新助っ人のポテンシャルの高さを認めた。

 打者の手元で動くムービングボールが武器。だから、ストライクゾーンで勝負できる強みがある。この日はシンカーやチェンジアップを臆せず投げ込み、次々と打ち損じを誘った。打たせて取るのが「自分の持ち味」と語る。昨年3月のWBCでは、侍ジャパンが準決勝の米国戦で、同タイプの先発右腕を攻略できなかった。過去の国際大会でも証明されているように、日本では動く球が効果的。メジャー経験はないが、日本球界で大化けする可能性を示してくれた。

 栗山監督はバックネット裏から、じっくりとベース板付近で動くボールを見守った。「ランナーが出たところ(の投球)を見たかったね」と、手応えを感じたからこそ、求めるレベルを上げた。直球の最速は144キロも「もっと速くなるよ」とロドリゲス。1回と2回に一ゴロの処理で清宮との連係も軽やかにこなした。「一塁ベースを気にしながらだったけど(清宮が)捕りやすいところに投げてくれた」とルーキーを称賛する余裕もあった。細かな技術は発展途上の部分もあるとされるが、その分伸びしろもある。楽しみな新助っ人が幸先よくスタートを切った。

 ◆ブライアン・ロドリゲス 1991年7月6日生まれ。ドミニカ共和国サンペドロデマコリス出身。エヴァンジェリーナ・ロドリゲス高を経て10年にパドレス。マイナー通算150試合39勝59敗、防御率4・43。右投げ右打ち。196センチ、81キロ。