阪神大山悠輔内野手(23)が、ミスターばりの華麗な守備で存在感をみせた。日本ハム戦に4番三塁で出場。5回表1死一塁の場面。清水の三ゴロに体勢を崩しながらもジャンピングで二塁送球し、併殺に仕留めた。さらに7回にも松本の打球を、一塁へのジャンピングスローで軽快にさばいた。日曜日、超満員の2万4000人で埋まった宜野座は拍手の嵐だ。

 ジャンピングスローの名手といえば長嶋茂雄が思い起こされる。三塁は花形のホットコーナー。長嶋はファンを喜ばせるため、平凡なゴロ処理も魅せることを意識していたという。ミスターと同じ背番号3の三塁手。大山のプレーにもスターの要素が詰まっている。

 合計5回の守備機会は何なく処理。今キャンプ中、二塁から本職の三塁に戻ったが、安定感を随所に発揮した。金本監督も「守りの方で内野のプレーでいいプレーもありました」と称賛プレーのひとつに挙げた。

 一方、好調を維持していた打撃は4打数3三振で、連続試合安打も4で止まった。ロサリオの休養日で巡ってきた4番でのアピールはならず、無言で帰宿した。高代作戦兼総合コーチは「疲れてるんだろう」と思いやったが、安定した守備力を見せつけたことは大きな収穫。華麗なサード大山にも注目だ。【古財稜明】