楽天の下妻貴寛捕手(23=酒田南出)が21日、値千金の3ランで開幕1軍を強烈にアピールした。沖縄金武でのハンファ(韓国)との練習試合に代打で登場。3点を追う9回裏1死一、二塁の場面で、カウント3-1からの真ん中直球を左翼スタンドに放り込んだ。

 劣勢だった試合を7-7の引き分けに持ち込み、梨田監督も「負けるよりは、引き分け、勝ちの方が良いに決まってる」と大喜び。17日のサムスン戦に続き2打席連続本塁打となった下妻は「打者有利のカウントだったので真っすぐを1球で捕らえようと思っていました」と胸を張った。

 もともと守備には自信があり、打撃が課題。それが昨秋から「とにかく打球を上げようと。打球を上げないと長打にならない。足も速い方ではないので遠くに飛ばして塁を稼げるように。それを意識してやっています」と、アッパー気味のスイングに改良。それが今春の2本塁打につながった。

 今季は捕手2人体制で臨む見通し。梨田監督も「誰にするか? あまり考えたくないね」とうれしい悩みに笑顔を見せる。端正な顔立ちがエンゼルス大谷翔平そっくりと評判の下妻。高く上がる打球も大谷のそれに似てきたようだ。【千葉修宏】