ライバル不在の好機を生かす。広島美間優槻内野手(23)が今日3日から始まる西武2連戦で開幕1軍入りをアピールする。広島内野陣は現在、日本代表や負傷離脱によって4選手が抜けている。出場機会が限られる美間にとっては、千載一遇のチャンス。九州遠征を前に同期入団の鈴木から助言をもらい、下降気味だった打撃を修正した。九州の地で存在感を示したい。

 同学年で同期入団の鈴木と打撃論を交わしながら、美間はバットを振った。全体練習後の居残り特打で2人の空間がつくられた。その目は真剣そのもの。キャンプ終了後の初のオープン戦2試合も、開幕1軍を狙う美間にとって大事な2試合となる。開幕が近づくにつれ、出場機会は減る。「ここでの結果がすべて」と、プロの世界で1歩先を行く同期の助言に耳を傾けた。

 日南1次キャンプで首脳陣に好印象を残していた打撃も、ここ数試合結果を残せていない。沖縄では実戦4試合に出場し、9打数2安打2打点。最近2試合は4打数無安打。下降の原因は分かっている。同期の鈴木から指摘されたポイントもそこだった。「ちょっと上半身が強すぎる」。上からバットを出す意識が知らぬ間にバランスを崩す原因となっていた。「小手先でやっていたところがあったかもしれない。うまく下半身の力を伝えないといけない」。ハッと気づかされた。

 現在、正二塁手の菊池と正遊撃手の田中、三塁レギュラー候補の西川が日本代表に選出されているため不在。三塁レギュラー最有力の安部も腰痛症で離脱している。出場機会が増える可能性は十分ある。レギュラー格の内野手4人が不在の今こそ、大きなチャンス。主戦場とする三塁だけでなく、春季キャンプ中のシート打撃で守った二塁出場にも意欲を示す。「キクさんのような守備はできないですけど、自分なりの守備範囲で堅実にできるところは見せたい」。持ち味の打力だけでなく、守れるところもアピールする。

 二遊間は固定され、一塁と三塁は実績ある候補選手が顔をそろえる。美間にとっては1試合が勝負。「結果を残すだけです」。新人時代の合同自主トレ中、かむ力を示す咬合(こうごう)力測定でピラニアの祖先・メガピラニアに匹敵する1300ニュートンをマークした若コイが、開幕1軍に食らい付く。【前原淳】