「10割ルーキー」が新たなオプションに挑む。巨人ドラフト3位の大城卓三捕手(25=NTT西日本)が5日、川崎市内のジャイアンツ球場で行われた1軍練習に参加。投内連係や内野ノックでは1軍で初めて一塁守備を行った。前日4日のヤクルトとのオープン戦で初本塁打を放つなど、ここまで2試合で3打数3安打。高い打撃力に評価上昇中だ。本職以外の守備も習得し、1軍定着を目指す。

 雨の降るジャイアンツ球場。大城の左手には借り物の一塁手用のミットがはめられていた。「2軍でも何回か練習していました。ミットは借り物で、いつも辻から借りています」と感覚を確かめるようにキャッチボールを開始した。内野ノックでは一塁守備につき、少し大股のステップで捕球。2月12日の紅白戦でも一塁守備についたが、慣れない守備位置での練習に雨と汗でユニホームがじっとりと重くなった。

 選択肢を広げることで、開幕1軍の可能性が高まる。捕手は小林、田中貴、2軍調整中の宇佐見らと激しい競争がある。大城は前日4日のヤクルト戦で代打本塁打。出場したオープン戦2試合で3打数3安打と、高い打撃力に首脳陣の評価が急上昇。捕手だけでなく一塁もできれば起用法の幅が広がる。一塁練習に高橋監督は「違った可能性もねと思ってやらせていますけどね」と捕手起用が前提と説明し、「3打席ですけどね、結果が出ているのだから」と打撃を生かすための取り組みとした。

 大城は「チームのためになることをやる」と意気込み十分。社会人出身として「即戦力だと思っている」と活躍するための方法はいとわない。打撃に関しても「まだ3打席。もっと打席に立ちたい」と機会を求める。一塁守備練習後は捕手練習も行い、準備は怠らない。「しがみついてやっていくだけです」と泥臭く、1軍に生き残る。【島根純】