若虎よ、レジェンドを目指せ!! 阪神が兵庫・西宮市内の合宿所の虎風荘に、歴代の一流OBの写真を常設したことが5日、分かった。これまで、ロビーに歴代タイトルホルダーのパネルなどが飾ってあったが、2月末までに新たにスター選手の説明文付きの写真も掲示。藤村富美男、村山実、吉田義男、江夏豊、掛布雅之、金本知憲らそうそうたる顔ぶれで、一時代を築いた輝かしい歩みがひと目で分かる。いつかは僕もと、スターを目指す若手の発奮材料になりそうだ。

 球団創設から83年目の重みが、若虎の発奮材料になる。大舞台を目指して汗を流す2軍の鳴尾浜球場に隣接する若手寮の虎風荘で、新たに「レジェンド写真」が常設された。野球殿堂入りした超一流や歴代監督らがズラリと並ぶ。チームの草創期を支えた藤村富美男らのほか、吉田義男、村山実、江夏豊、掛布雅之、金本知憲ら豪華な顔ぶれ。星野仙一、岡田彰布の03、05年優勝当時の将も顔を並べている。

 虎風荘は、野球を志す若手が寝食を共にする寮だ。球団幹部は「(2月の)キャンプから帰ってきたら、選手が見られるようになっています。日頃から目に触れることで、少しでも、このようになりたいと思ってくれればいい」と願う。2階のロビーには、これまでも球団のタイトルホルダーのパネルが掲示されていた。今回は新たに1、3、4階の廊下に写真を飾った。

 猛虎の歴史を知るのは、チームの重みを背負うことにつながる。躍動感あるプレー写真に説明文も加えることで、同時代に生きてなくても息づかいに触れられる。

 虎風荘で暮らす、有望株のドラフト2位ルーキー高橋遥人投手(22=亜大)も「博物館みたいになっていましたね。見たら、気が引き締まります」と背筋を伸ばした。金本体制3年目に入り、新たな時代の息吹もある。球団の一工夫も若手の向上心をかき立てる。

 鳴尾浜ではオフからウエートトレーニングルームの改修工事を行い、すでに完成。120平方メートルから220平方メートルに拡大するなど、常勝軍団を築くための設備を着々と整える。肉体強化のハード面だけでなく、ナインの野心を刺激すべくソフト面でも粋な仕掛けだ。「金の卵」をいかに温めて育てていくか。13年ぶりの優勝へと向かう。伝統の力も後押しにして、シーズンへと突き進んでいく。