昨年11月に右肘のクリーニング手術を行い、現在は2軍で調整中の楽天茂木栄五郎内野手(24)が15日、楽天生命パークで行われた仙台大との練習試合に「1番ショート」で先発出場した。ここまで実戦6試合に出場したが、すべてDHでの出場。この試合で今季初めて守備に就いた。

 開始直後の1回表2死、三遊間に打球が飛ぶ。素早く正面に回り込んで捕球し、軽快に一塁へ送球した。美しい流れに見えたが「DHとショートでは、試合の入り方が全然違う。投げられるようになってから時間もたっていないので、不安はあった」と言う。4回まで守備に就き、2度の守備機会を完ぺきにこなすと「今日はショートの守備で試合に出場できたことが(これまでの期間で)一番の進歩です」と、言葉に実感を込めた。

 今季も、先頭で切り開く。そのすぐ裏、先頭で打席に入った初球をいきなり中前にはじき返した。すかさず二盗、さらに三盗まで決める。1人で好機を広げると、4番フェルナンドに3ランが出た。昨季ペナントレースで5本、CSでは2本の先頭打者本塁打を放った「1番・茂木」こそが、打線に火をつける。それでも「打撃はまだまだ。これから1軍のプロのレベルを経験すれば、慣れていくはず。(1軍への)準備はしているつもりです」と語った。

 20日のヤクルトとのオープン戦(神宮)から1軍に合流し、30日の開幕戦(ロッテ、QVCマリン)を目標に、状態を上げていく。「1年目、2年目とケガで途中離脱した。今年こそ1年間プレーしたい」。最初から最後まで、先頭でけん引する覚悟だ。【鈴木豊】