巨人菅野が開幕投手への総仕上げを行った。楽天戦に先発。自主トレ、キャンプからの取り組みが理想の域に入った。2種類の新球シンカー。初回2死、真ん中から外角低めへ浅く沈ませた。島内は途中でスイングの意思を放棄したが止めたバットに当たり、投ゴロ。1球で仕留めた。

 4回1死、銀次に対しては落差を追求した。追い込んでからの132キロは左打者の外角へ逃げながら急激に落下した。好打者をして「僕の感覚ではフォークかと。すごいところに落ちた。えぐいです」と言わしめた。今季20勝、200イニングを目標とし、球種を新規開拓する右腕は「打者の反応を見ても理想に近づいている。シンカーは今日は手応えがあった」と感覚を得た。

 嶋からは、もう1つ習得中の内角スライダーで空振り三振を奪った。3、4回と得点圏に走者を背負ったが、4回を3安打、6奪三振で無失点。最後のデモンストレーションを終えた。

 2年ぶり4度目の大役へ自らを高め続けた。昨季はWBC準決勝の疲労を考慮され、開幕投手を回避。今季の開幕投手は昨年10月、高橋監督から直接言い渡された。過去3度の開幕投手は全て白星。「やるべきことはすべてやった。後は万全の状態で開幕を迎えたい」。猛虎の前に仁王立ちする。【広重竜太郎】