「則本キラー」襲名だ。ロッテのドラフト2位、藤岡裕大が開幕戦でいきなり3安打放った。2番遊撃で先発。まずは1回無死二塁のプロ初打席で左中間を割った。「緊張はしませんでした。ストレートに振り負けないように。風にも乗って伸びてくれた」と幸先よくスタートを切った。

 3回2死でも154キロを左中間へ運ぶ三塁打。7回1死では150キロを中前へ落とした。昨季チームが0勝4敗と打ちあぐねた楽天のエースを初対戦で攻略。本塁打が出ればサイクル安打達成の2打席は空振り三振に倒れたが「(サイクルは)そんなに出るもんでもない。狙ってはいませんでした」と冷静だった。

 入団時から「開幕スタメン」を目標に掲げてきた。首痛により、オープン戦大半の出場機会を平沢に譲った。「それまで自分が出させていただいていた。もったいないことをしたと思いました」と素直に吐露。1軍復帰はオープン戦最後のカードだったが、少ない機会をものにした。

 指揮官からは「チームの中で一番存在感のある打撃をしてくれた」と厚い信頼を得た。「僕は社会人から来た即戦力。うれしいですが、そのぶん責任がある」と言った24歳が、早くも井口ロッテの核となる。【鎌田良美】