言葉が出てこなかった。日本ハム斎藤佑樹投手(29)は試合後、報道陣に囲まれても足を止めなかった。「僕からは何も言えないので、監督とコーチに聞いてください」。初回、2四球と死球で満塁のピンチを招き、押し出しの死球で1失点。3回までに6点の援護を受けながら、4回に再び制御不能となり3四球で2死満塁として降板。3回2/3を74球、被安打は0。今季初先発での勝利は自滅の形で消えた。

 球団を通じて出たコメントにも悔しさがにじんだ。「打たれたくない意識が強くなってしまったのかもしれません。少し慎重になり過ぎました」。打たれなかった代わりにプロワーストの1試合8四死球。コースを突こうとして投球フォームを見失った。吉井投手コーチは「変化球をいいところに投げようとしすぎて最後は体も突っ込んでいた。斎藤の悪い時は、そういうパターン」と説明した。

 5連勝を飾ったチームの勢いに乗れなかった。栗山監督も「ご覧の通りだな。オレの思いは、いろいろありすぎるから、みんな(報道陣)が見た通りに書いてくれて構わない」と話した。今日8日に出場選手登録は抹消される。屈辱をばねにはい上がってくる姿を誰もが待っている。【木下大輔】