日本ハム打線が“大谷効果”で爆発した。2回、清水優心捕手(21)の今季1号2ランなどで、一挙5点を奪い逆転。7回にはブランドン・レアード内野手(30)の2戦連発となる3号ソロを皮切りに、清水の2本目など1イニング3発でロッテに打ち勝った。この日の試合前の選手サロンでは、エンゼルス大谷の3試合連発の勇姿をテレビでチェック。元チームメートの活躍を刺激に、計6本塁打を含む先発全員安打。5連勝でチームは単独2位に浮上した。

 試合前、日本ハムの選手サロンに絶好の発奮材料があった。ヒーローの清水が、感化された1人だった。「すごいのは分かっていますけど、本当にすごい。刺激を…って言っちゃ、失礼ですけどね」。テレビ画面の中のエンゼルス大谷が、衝撃の3戦連発。サロン内は「また打った!」など感嘆の声で沸き上がり、最高のムードで試合開始を迎えていた。清水は2学年先輩の「夢の人」の活躍を目撃し、迎えた第1打席。1-1の同点に追いついた直後の2回1死一塁だった。

 強気に狙いを定めた。4球目の直球139キロは「外の球。1本に張っていた」と迷わずフルスイング。右中間への1号2ランを確認し、一塁ベースを蹴ると、右拳でガッツポーズして確信した。「今日はツイているな」。勢いそのままに7回の第4打席。右越えソロでプロ入り初の1試合2本塁打をマークした。乱打戦を制するキーマンになった。「僕はこういう打者じゃないので…。今日は本当にたまたま良かったんじゃないかな」と控えめに喜んだ。

 大谷の活躍とともに、チームも奮起してきた。日本時間4日の大谷のメジャー初本塁打時にも、楽天生命パークの選手サロンのテレビで流れていた。直後に行われた楽天戦で、今季初の2連勝。カード勝ち越しを決めていた。この日の大谷のアーチに、キャプテン中田は「すごいですね。このままケガなく頑張ってもらいたい」。投打の要が抜けた穴は大きいが、最高のモチベーションを海の向こうから受け取っている。

 4回までに先発全員安打を記録し、計6本塁打と猛打を振るった。一端を担ったレアードは7回、勢いそのままに2戦連発。「みんながたくさん打って、流れの中に加わりたいと思ったんだよ」と大興奮で「すし」を握った。栗山監督は「主軸のところに当たりが出てきた」と手応え十分。チームは5連勝で2カード連続の勝ち越し。開幕3連敗の悪夢を振り払い、単独2位に躍り出た。「大谷効果」を力に、勝利を積み重ねていく。【田中彩友美】