しっかりしてくれ! 楽天の守護神松井裕樹投手(22)が7日のソフトバンク戦で同点の9回に登板し、決勝打を浴びた。1死から6番中村晃に9球も粘られ四球を与えると、盗塁と暴投などで二、三塁に傷口を広げ、8番上林に決勝右前打を許した。今季2敗目を喫した松井は試合後、中村晃との対戦を振り返り、「もうちょっと早いカウントで勝負できればよかったです」とだけ言い残して、引き揚げた。

 昨年は“鉄板”だった「勝利の方程式」が、今年はまだ確立されていない。ロッテとの開幕戦では1点リードを守りきれず、3日の日本ハム戦では0-0の9回に決勝打を浴びた。登板した4戦中3試合で失点、防御率は9・00。開幕から安定感を欠いたままだが、首脳陣からの信頼は揺らがない。梨田監督は「信頼しています。まだ下を向く時期じゃない」と配置転換を否定した。

 試行錯誤を続けていた。前日6日のソフトバンク戦で松井は、従来のノーワインドアップからセットポジションに変更。1回無失点に抑えて復調の兆しを見せたが、まだトンネルは抜けていなかった。佐藤投手コーチは「セットの方がしっくり投げられているんじゃないかと思う。調子自体はキャンプからいいよ」と証言。この日、バッテリーを組んだ捕手の足立も「調子が悪いわけじゃない」と擁護した。悩める守護神の再生なくして、楽天の浮上は考えられない。【高橋洋平】