ようやく勝てた。楽天先発の岸が、265日ぶりのリーグ戦勝利を手にした。

 3点リードの5回1死から連打でピンチとなったが、要所で輝きを増すコントロールが抜群だった。売り出し中の宗を外角の145キロ直球で見逃し三振。大城も外角直球で空振り三振に仕留めた。6回6安打1失点。「ホッとしました」と今季初勝利をかみしめた。

 「1勝」が遠かった。昨年7月19日の日本ハム戦を最後にリーグ戦では白星に見放されていた。同27日のソフトバンク戦からは7連敗を喫した。「勝つって、どうしたらいいのか。あれ。どうするんだろう」と、悩む時もあった。「先発として、試合を作ることだけを意識して」と自分に言い聞かせた。

 今季初登板は3日の日本ハム戦。1月に死去した元監督の星野仙一氏(享年70)をしのび、全員が「77」の背番号を着用した。岸は「責任を感じる」。勝ち星こそ逃したが、8回無失点の好投で応えた。「これからも最高の投球を続けて、1年の終わりにしっかりと星野さんに報告したい」と13年以来のV奪回を胸に誓う。【栗田尚樹】