待ちに待ったヒットがついに出た! 楽天ゼラス・ウィーラー内野手(31)がソフトバンク戦の9回にチーム3点目をもたらす貴重な中前適時打。今季18戦目にして初のタイムリーで、連敗ストップに貢献した。主砲が調子を取り戻せば、最下位に沈むチームも一気に上昇気流に乗るはずだ。

 一番欲しいときに出た。9回表1死二塁。ウィーラーはカウント1-2から外角高め149キロ直球を中前へはじき返した。一塁を回ったところで足を滑らせ、ズデンとこけると、普段はこわもてのペゲーロまでもがベンチで大爆笑。チームのムードを一瞬で最高潮にしてしまった。

 ウィーラーは「見た目には面白かったかもしれないけど、ただ滑っただけだよ」と照れ隠し。それでも今季は不安定な投球が続く守護神松井に3点のリードをプレゼントし、チームを勝利に導く価値あるヒット。「技術的に特に変えてはいない。チームが勝てて良かったよ」とホッとした表情を見せた。

 ロッテとの開幕戦で4安打するなど、今季は開幕3試合で打率5割の好スタートを切った。しかし日本ハムとの2カード目あたりから徐々に調子を崩し、ソフトバンクとのここ2試合は7打数で音なし。打点もこの日までわずか1で、それも10日のオリックス戦で投ゴロの間に挙げたもの。梨田監督も事あるごとに「ウィーラーが打点1ではね…」と漏らしていた。

 そんな不調を見かねて、今季はほとんどの試合で4番を務めていた主砲が5番に“降格”になった。それが奏功し、チームはソフトバンク相手のカード3連敗を免れた。梨田監督も「ウィーラーのタイムリーは今季初めてなんで。打点は2だけどね。良い打点になったと思います」と大喜び。きっかけをつかんだ主砲が楽天の反撃をけん引する。【千葉修宏】