今日にも達成だ! ソフトバンク内川聖一内野手(35)が1日、ロッテ戦(ZOZOマリン)で2戦連発2号ソロを含む2安打を放ち、通算2000安打まで残り4本とした。3-1での勝利に貢献。4月は不調に苦しんだ主砲をチームメートも「サイレント・トリートメント」で祝福した。5月に入り勢いに乗ってきたバットマンの大記録達成が秒読み段階に入った。

 4回無死、左翼へ完璧な1発を放った内川が勢いよくダイヤモンドを1周した。ナインの待つベンチに向かったが、なぜか誰もいない。仕方なくベンチの奥に座ると、一瞬の間をおいてチームメートが集まり手荒い祝福を浴びせた。米国で流行し、エンゼルス大谷が1号を放った際に日本でも話題になった「サイレント・トリートメント」だった。

 内川 誰も祝福してくれないんだなと思って、ちょっと寂しくなりました。みんなに心配かけてたんだなと、申し訳ない気持ちになりました。

 川島の発案による祝福に工藤監督は「一瞬ドキッとしたけどね。みんななりに、ウッチーが苦しんでいたので、ちょっとでも盛り上げようとしたんだと思う」。4月は打率2割1分1厘に終わった主砲の復調に目を細めた。

 「5月」をひとつのテーマにした。前日4月30日には「ひらめき」で今季1号を放っていた。「気まぐれ、思いつきです。何か変えられないかなと思って」。右手袋を外してみると1発が出た。だが、そこに執着することなく、この日は元通り両手に手袋を着けた。「切り替えなきゃいけないと思っていた。一番わかりやすいのが、月が替わること」。不振にあえいだ4月を引きずることなく、リセットした気持ちで臨んでいた。第1打席には鮮やかな中前打。「ヒットが出て楽に入れた。しっかりとボールに対してバットが出せた」。自信を持って打席に向かい、2戦連発につながった。

 この日の2安打で通算2000安打まで残り4本とした。これまで1試合4安打以上は22試合あり、今日2日の達成も十分可能な数字だ。「純粋に打席に立てるように、早く打ちたい」。上昇ムードの内川が「5月攻勢」で大記録とチームの勝利に向かってひた走る。【山本大地】