阪神金本監督が「リクエスト初勝利」だ。両チーム無得点の2回1死一、二塁。山口俊が投じたスライダーは内角低めへ。左足を襲われた高山が死球をアピールするが、小林球審はボールの判定。ここで指揮官がリクエストを要求し、場内にリプレー映像が流れた。

 判定はボールから死球に覆り、瞬く間に1死満塁のビッグチャンスが到来。敵失や秋山の適時打などで3点を奪った。金本監督は「高山のアピールで、本当に当たっているなと思った」と振り返った。今季から導入されたリクエスト制度。過去6回、リプレー検証を要求して、成功したのは4月28日広島戦(マツダスタジアム)の1度だけだが、白星に結びつかなかった。この日は好判断が生きた。

 屈辱をはね返す反発力がある。巨人と前回対戦の4月20日から甲子園で3連戦3連敗。指揮官は「悔しい思いを持っていない選手は使えない」と言い切っていた。この日は違う。宿敵相手に思いをぶつけた。「僕は悔しさを持っているし、やり返したい気持ちも持ってきてますけど、選手がそういう気持ちを持って、戦ってくれていると思っている。借りを返してやるとか、やり返すとか、気持ちがプレーに大きく出る」。意地のワンサイドゲーム。3連勝で、今季最多の貯金3に増やした。【酒井俊作】