かつて阪神の外野手として活躍した林威助氏(39)がファーストピッチセレモニーに登場した。

 阪神時代の応援歌が流れると、マウンドから右翼席に両手を振ってあいさつ。久しぶりの林氏の、モノマネで左打席に入ったトラッキーから低めの投球で空振りを奪った。同日と6日は「台湾デー」として行われ、台湾出身で日本のファンにも愛された同氏の招待が決まった。

 古巣阪神に「今のところそんなに調子がよくないけど、選手はキャンプからしんどい練習をしてきた。夏に向けて乗っていけると思う」とエールを送った。甲子園に来るのは退団以来で「やっぱり懐かしい。甲子園の雰囲気がある。自分の家のように思っている。いろんな人に助けてもらい、ファンの人たちに応援してもらった。思い出はたくさんあります」。07年6月10日のソフトバンク戦で台湾の英雄、王貞治監督の前で延長10回にサヨナラ2ランを放ったことを印象的な思い出に挙げた。

 福岡・柳川高校に野球留学し、近大から02年ドラフト7位で阪神入団。13年まで11年在籍し、14年からは故郷台湾の中信兄弟でプレーを続けたが昨年引退。同チームの2軍監督を務めている。

 「台湾は今、打者にいい選手が多くて、チャンスがある楽しみな選手がいる。いずれ日本でやってほしいし、そういう選手を育てたい」。当時と変わらぬさわやかなスマイルで現在の夢を明かした。