ロッテは23日、大嶺翔太内野手(26)から金銭トラブルによる引退の申し入れがあり、受理したと発表した。球団によると、約2年半前から金融機関などとトラブルがあり、改善に向けた指導を行ってきたという。最近になって新たな同様事案が発生。対応を協議する中で、ユニホームを脱ぐ意思が伝えられた。

 大嶺翔は球団を通じ「自分のプライベートな部分でいろいろな方にお金を借りて返せないという金銭トラブルが発生し、多くの方にご迷惑をおかけしてしまったことを深くおわび申し上げます。こんな自分を応援していただいたファンの皆様、そして期待をかけていただいた井口監督、再三、注意と指導をしてくださった球団の皆様の思いを裏切る形となってしまい大変申し訳ありません。全ては自分のプロ野球選手としての自覚のなさから出たものだと思います。今、自分に出来ることは環境を変え、気持ちを入れ直すことだと決断しました。新しい環境で一から出直し、少しでも頑張っている姿をお見せしたいと思います。本当にご迷惑をおかけしました」とコメントした。

 林球団本部長は、借入額や使い道などは明らかにしなかったが、借入先について「(反社会的勢力など)そういったものではない」と説明。選手として生活を立て直すよう説得に努めたが、本人の意志が固かったという。同本部長は「大変残念です。お金の状況というよりも、本人の環境を変えて一からやり直したいという思いが強かった。(今後)こういうことがないよう、教育、指導をこれまで以上に強化していきたい」と話した。

 ◆大嶺翔太(おおみね・しょうた)1991年(平3)9月17日、沖縄県石垣市生まれ。八重山商工では甲子園出場なし。09年ドラフト3位でロッテ入団。5年目の14年8月1日オリックス戦でプロ初出場。同8月7日楽天戦で初安打を本塁打で飾る。通算は196試合、74安打、7本塁打、打率2割1分。今季年俸は1000万円(推定)。180センチ、82キロ。右投げ右打ち。

 ◆任意引退 契約期間中の引退希望など、選手の意思で契約を解除する制度。選手として復帰する場合は最終所属球団に復帰するか、他球団に移る場合は最終所属球団の承諾が必要。任意引退公示後、3年経過すれば自由契約扱いとなる。シーズン中の任意引退手続きは、最近では15年7月に丸毛謙一外野手(オリックス)が、急性硬膜外血腫の開頭手術後のリハビリを経て現役引退を申し出た。11年4月にはバニスター投手(巨人)が、震災直後の不安から引退の旨を球団に通知。ほとんどの理由は病気やケガによる。