広島が今季最多の19安打、15得点でDeNAに大勝した。2回の先制点から攻撃の手を緩めずマルチ安打が5人。先発岡田も適時打を放つなど上位下位まんべんなく打ち続けた。パ・リーグは混戦だが4カ月連続白星スタートでリーグの貯金を独占。勢いが止まらない。

 広島打線が連敗の鬱憤(うっぷん)をバットにぶつけた。9四死球をもらった上に、今季最多19安打で今季最多15得点の爆勝だ。緒方監督が「投打ともに全員がいい活躍をして、暴れまくったね」とたたえる完勝で、連敗を2でストップ。月初めは4カ月連続で白星スタートとなった。

 2回に先制点を奪うと、同点の3回は勝ち越し後に、浜口の急変から4者連続押し出しでリードを一気に広げた。それでも攻撃の手を緩めることはない。「今までの経験上、これでいいというのはないと、全員が思っている」と話す丸が4回に左翼席へ14号ソロを放つと、7回にも再び左翼席へ15号3ラン。一挙6点のビッグイニングをつくった。昨季は阪神戦で9点差をひっくり返された苦い教訓がある。今季も投手陣が不安定な事情もあり、点差が開いてもベンチでは「もう1点」「もう1点」と声が上がる。

 途中出場の選手も安打を重ねた。本拠地試合前の特打は日課となっているが、遠征先でも別メニューでの特打が行われる。この日も全体のウオーミングアップ中に、室内練習場で特打を行った堂林や小窪が途中出場で快音を響かせた。

 野手だけではない。この日先発した岡田は打撃への意識が高い。ベンチ裏から1人でティー打撃できる練習用品をブルペンに持ち運び、極秘練習を行ってきた。東出打撃コーチが「岡田が自分で自分を助けた。岡田が打つと点が入る」と話すように今季4安打すべてが得点につながっている。

 完勝で首位固め。6月までリーグトップの351得点を記録する広島打線の勢いは、7月も収まりそうにない。【前原淳】