ロッテが29歳コンビの活躍でオリックスに5-2と快勝した。3日に誕生日を迎えていた井上晴哉内野手が5回に同点の13号ソロ。この日が誕生日だった先発唐川侑己投手が6回5安打2失点で今季初勝利を挙げた。これでパ・リーグは再び3チームが3位。混戦は続きそうだ。

 ロッテ井上は試合後、唐川に声を掛けた。「おめでとう。勝てて良かったな」。返ってきたのは「ありがとう」。短いひと言に笑みがこぼれた。唐川は登板4試合目にして今季初勝利。1年に1度の“記念日”だからこそ、なおさらめでたかった。

 「今日は侑己の誕生日ですからね。抑えてくれてたし、援護したかった」。最少失点で粘っていた右腕に応えたのは5回だった。先頭でオリックス山岡のストレートを強振。左中間に突き刺す同点13号ソロで猛打の口火を切り、この回一挙5得点。逆転のビッグイニングを呼んだ。3日、自身の誕生日にも祝砲を上げたばかり。2日ぶり? のバースデー弾となった。

 唐川も踏ん張った。直後の5回1死一塁ではスライダーを外角低めに沈めて二ゴロ併殺。4回も1死一、二塁は変化球を低く集めて連続遊ゴロで切り抜けた。「低めにコントロールできていたので芯を食ってもアウトにできた。ゲームをつくることに必死でした」。

 高卒と大卒・社会人経由。入団は6年違うが、ともに平成元年生まれの同い年だ。この日のスタメンでは鈴木と8回を投げた益田も同学年。7人いる「89年会」は春季キャンプ地の沖縄・石垣島で定例会を行うなど仲が良く「後輩が増えて、同級生の意識が強くなった」と井上。かつてのメンバー、前ダイヤモンドバックス中後も前日にDeNA入りが決まり、唐川は「負けないように頑張らないと」と士気を高めていた。

 4月、5月は3試合先発して3敗だったが、待望の白星。「ここ(この時期)で初めて勝つのも情けない話ですけど、何とかっていう思いでマウンドに立った。チームが勝てたのが一番です」。6年ぶりのバースデー勝利に胸をなで下ろした。井上のバットと唐川の右腕。相乗効果で3連戦を1勝1敗1分けで終え、ソフトバンク、オリックスと再び3位で並んだ。【鎌田良美】