また天敵に勝てなかった。ソフトバンクが日本ハム先発の上沢に対し、今季4戦4敗となった。攻略の兆しは見せていた。これまでの3戦は24イニングでデスパイネのソロ本塁打による1得点のみだったが、この日は初回から違った。中村晃からの3連打で1死満塁のチャンスをつくると、内川が中堅左へ先制の2点打。牧原も犠飛を打ち上げ、3点を先行した。上沢からリードを奪ったのは今季初。適時打による得点も初めてだった。2回にも柳田の適時二塁打で追加点。工藤監督も「しっかり攻略できた。立ち上がりをとらえてくれた」と手ごたえをつかんだ。

 それだけに、もったいない1敗となってしまった。バンデンハークがプロ通算1本塁打だった渡辺に2打席連発されるなど、3回6失点でKO。逆転を許すと上沢を立ち直らせてしまい、4回以降は今宮のソロ本塁打1本に抑えられた。1点ビハインドの8回には勝ちパターンの加治屋を投入。無死一、二塁では内野陣を猛チャージさせ、一塁福田が杉谷のバントを三塁封殺する場面もあった。最後まで勝ちにこだわり采配をふるったが、1点の差が大きかった。

 2位日本ハムとの直接対決で、大事な初戦を落とした。しかも、これで日本ハム戦は5連敗。工藤監督は「もう1歩というところはありますけど。相手側が強いと認めた上で、明日からもしっかり戦う。過去のことより未来のことを考える方が大事」。札幌での残り2戦、なんとしても連勝したい。【山本大地】