プロ野球南海(現ソフトバンク)で選手、監督を務めた穴吹義雄(あなぶき・よしお)さんが7月31日、敗血症のため堺市内の病院で死去していたことが4日、関係者の話で分かった。

 南海時代のチームメートで、親交の深かった広瀬叔功氏(81=日刊スポーツ評論家)が故人を悼んだ。

 あんな真面目な男がなあ…。寂しいよ。プロに入ったのはワシが先だったけど、年齢はブキヤンの方が3つ上。あなた買います、って南海に入ってきたけど、まったく偉ぶる男じゃあなかったよ。ワシがショートのときは、ブキヤンはサード。2人とも下手での。ワシがセンターに回ってからは、ブキヤンはレフトだった。カバーリングばっかりしていたのが懐かしいよ。

 ワシは酒飲みだったけど、ブキヤンは酒も飲まない真面目な男。ワシが監督のときにはブキヤンには2軍監督をしてもらった。「ブキヤン、どうかなあ」って聞いたら、「いいんじゃない。チョロちゃんが決めたのが正解だよ」って言ってくれたっけな。不運なワシの後の監督もやって、申し訳なかったな。自宅も数百メートルしか離れていなくて、仲も良かった。

 ワシももう長くはないじゃろう。ブキヤン、あっちでまたゆっくり話をしようや。