広島の主軸が、緒方監督へ記念の勝利を届けた。勝利への号砲を鳴らしたのは不動の3番丸だ。1回1死一塁で追い込まれながら、DeNA京山の直球を強振した。「僕がイメージしていたよりも飛んでくれたのでビックリした」。風にも乗った打球は、右翼席中段への先制24号2ランだ。

 早くも自身のシーズン最多本塁打を更新した。「より自分のポイントで打てるようになった。自分のポイントまで呼び込む確率も増えてきていると思います」。昨季MVP受賞の打棒はさらに磨きがかかっている。

 この日、丸の前を打つ2番は菊池ではなく、安部だった。試合前まで打率2割3分6厘と不振が続いたもう1人の主軸は、672日ぶりに2番以外でのスタメン。それでも「何番でもやることは変わらないので」と2回に適時打。さらに田中の中前飛球に判断良くスタートを切り、二塁から一気に本塁を奪う好走塁で4点目をもぎ取った。

 緒方監督は史上7位、球団最速で通算300勝を達成した。「選手の頑張り。それを支えたコーチ、裏方、スタッフ。何よりカープファンの後押しがあって積み上げられた数字」。指揮官とともに成長を続けるチームの柱が、記念星をプレゼントした。【前原淳】