ソフトバンクが2位日本ハムに6発を浴びせ大勝し、再び勝率5割に戻した。初回、いきなり日本ハムに1点を先制されたが、その裏に柳田が逆転25号2ラン。左翼ポール際のスタンド中段へ豪快にたたき込んだ。「完璧。いい感じで打てた。ここ何試合か自分の打撃ができていなかったので」。首を痛めた7月24日ロッテ戦以来8戦ぶりの1発は、柳田の修正力から生まれた。練習時から構えた時の左足の角度と右足の踏み込みを微調整。体重移動がうまくいった。藤本打撃コーチが「ビデオを見る時間の方が練習より長い」と話すほど、研究熱心だ。

 工藤監督も「非常に大きかった。逆方向に本塁打が出るのは(調子が)上向き、いい傾向。あの本塁打はいいきっかけになる」と首の故障から復帰後初の1発を喜んだ。柳田の1発で火が付いた打線は3回に2本塁打で4得点。その後も松田宣が2発、デスパイネも140メートルの特大25号2ランを放ち、先発全員安打の13安打で11得点。3万7954人が詰めかけたヤフオクドームを沸かせた。

 2位で苦手の日本ハムに2勝1敗。柳田も「日本ハムに勝ち越していなかったので良かった」と話す。この日負ければ自力優勝の可能性が消えるケースもあった苦しい状況で、踏ん張った。工藤監督は「すごくチームに勢いがつく本塁打(攻勢)だった。今日のような打撃ができたらいい。気持ちを切り替えてまた(14日からの)楽天戦に臨みたい」とこの勢いを大事にする。柳田の復調が巻き返しの合図だ。【石橋隆雄】