ソフトバンクがオリックスに3連勝した。同点の9回、今宮健太内野手(27)が決勝6号2ラン。2試合連続適時打も含め3打点で勝利に貢献した。同一カード3連勝は今季4度目。貯金4は7月17日以来だ。この勢いに乗って明日21日からの2位日本ハム、首位西武との6連戦で一気に差を縮める。

 自分でも驚くパワーだった。同点とされた直後の9回1死三塁。今宮は「1点を取れればと思っていた。まさか入るとは思わなかった」。オリックス左腕山田の外角チェンジアップを右翼方向へ。犠飛を打ち上げたつもりが、打球はグングン伸び右翼席まで届いた。今季初の右方向への本塁打。この1発から打線が爆発し、9回に一挙6点を奪い試合を決めた。

 16日楽天戦でも5号ソロ。だが次打席は初球打ちし、チャンスで一邪飛に倒れた。珍しくバットをたたきつけ、ベンチに戻ってからもヘルメットを両手で持ってたたきつけた。「チャンスでずっと打てていない。チームに貢献していない。今年はここまで何もできていない。ヘルメットやバットに当たることは反省しないといけないが、悔しい以外に何もない」と試合後も怒りが収まらなかった。

 この日は、その時八つ当たりしたバットとは違うバットだったが、1点を追う3回に、2戦連続の適時打となる中越えの同点二塁打。「昨日、今日は力まず、打つと決めた球をしっかりスイングしていきたいと思っていた」と、迷いのない打撃ができている。今季は右肘関節炎のため6月13日に出場選手登録を抹消され、約1カ月リハビリ生活も味わった。今も右肘に痛みを抱えたまま、休養しながらシーズンを乗り切るつもりだ。

 工藤監督も「苦しみながらも頑張ってきた。結果が出て笑顔が出ることはうれしい」と今宮の復調を喜ぶ。今季4度目の同一カード3連勝。「(21日から)日本ハムと西武なので、そこに向けて、この3連勝は大きい」と指揮官はこぶしを握った。ここ10試合で8勝2敗。内川、デスパイネが離脱しながらも昨季の強さが戻ってきた。【石橋隆雄】