ファーストスイングで、決勝弾をかっ飛ばした。阪神福留孝介外野手(41)が1回1死二塁から右翼スタンドへ12号2ラン。2番北條が二塁打を放った直後の初球を、いきなり仕留めた。142キロの真ん中直球にタイミングはばっちり。「もちろん積極的にいくというのはずっと思ってやっているから」と涼しい顔で振り返った。

 とにかく福留は振っていく。打撃で一番大切なものを聞かれれば「タイミング」と即答する。18・44メートルの間合いを制することが出来れば、勝負は福留にある。だから初球から、空振りを恐れずに振っていく。「このくらいずれているな、とか。思ったより曲がるな、とかね。振らないと分からないから」。積極打法に必要なのは凡打を恐れない度胸だけではない。いきなり振っていく準備は、試合前から始まっている。

 プレーボール前。福留は先乗りスコアラーが用意した資料を、時間をかけて入念にチェックする。配球の傾向、投球モーション、直近の状態…。中日先発小熊とは今季初対戦、昨季も3打席しか対戦がなかったが、情報、映像が頭に入っていた。「スコアラーの方が情報を提供してくれているおかげです」。ネクストバッターズサークルでもタイミングを合わせ、一撃必殺につながった。

 前日21日は積極的休養。ただチームは打線が沈黙して敗れ、反対に福留の存在感が際立つ結果となった。ならばと第1打席で快音。「試合も少ないし、なかなか打てるものでもないからよかったね」と慣れ親しんだナゴヤドームでの今季1号だ。ライナーの弾道に、金本監督も「初球をワンパンチで。あれで(流れが)グッと。さすがですね。あの打球も」と絶賛。準備と集中力で、ベテランが勝負を決めた。【池本泰尚】