首位を独走する広島が、土壇場の2発で緒方孝市監督(49)も大興奮の逆転サヨナラ勝ちを決めた。3点を追う9回、1死一、二塁から3番丸佳浩外野手(29)が起死回生の同点28号3ランを放ち、最後は4番鈴木誠也外野手(24)が左翼席へ試合を決める24号ソロを放り込んだ。一時は7点をリードされたが、驚異的な粘りで2位ヤクルトを撃破。マジックは「24」となった。
「神ってる」試合の再現だ。9回、2者連続アーチによるサヨナラ勝ち。緒方監督も珍しく興奮気味に振り返った。「数々の試合を経験してきた中で、一番の思い出になる試合。打った誠也もすごいし、その前の丸がまさか3ランが、同点に追い付くような一打が出るとは。球場全体でファンの方が後押ししてくれた」。4回まで0-7の劣勢をコツコツと返し、最後に大技を決めた。
決めたのは4番鈴木だった。1死から丸の同点3ランの興奮が残る中で、真ん中スライダーを強振。打球はグングン伸びて、左翼席に飛び込んだ。自身4度目のサヨナラ弾に「シーズンで1本打てるか打てないか。やっぱり興奮する。こういう試合で打てて良かった」と気持ちを高ぶらせた。「奇跡です」と繰り返し、「丸さんがああいう場面で同点にしてくれた。もう1回、一から塁に出ようと思っていた。最高の結果になって、サイコーです!」と最後は叫んだ。
挫折を経て、さらに成長した姿を本拠地のファンに届けた。昨年8月23日に横浜で右足首骨折。残りシーズンを棒に振った。あれから1年。本人は「意識してません」と言うが、周囲は努力を知っている。迎打撃コーチは「今日も(バットを持つ)両手を少し離した打撃を練習で試していた」。創意工夫を重ねて、たくましさを増している。
並んでお立ち台に上がった丸は「自分でもびっくりした。最後の最後でワンチャンスをものにできた」と喜びを口にした。「この日のために誠也に食事をごちそうしてきた」と笑わせ、4番をたたえた。マジックは2つ減って「24」に。「本当に底力というか、チームの力が着実についているんじゃないかな」と緒方監督。一気にマジックを減らしそうな劇勝だった。【大池和幸】



