ソフトバンクが今季最長タイの6連勝で5月16日以来の2位に浮上した。同点の8回2死一、二塁で今宮健太内野手(27)が前進守備の中堅を越える決勝2点二塁打を打った。貯金も今季最多の7。工藤監督が「1つでも負けないように」とこの6連戦に臨んだが、チームも執念で応えた。

厳しい表情を崩さなかった工藤監督の表情がようやくほころんだ。4時間に及ぶかという熱戦を制し、3カ月ぶりに2位に浮上した。指揮官は「選手たちが、絶対に勝つんだという思いをなくさないで3連戦を戦ってくれた。内容のある中で勝てて、選手たちには自信になったと思うし、相手にも脅威になる」。顔を紅潮させたまま、執念を見せた選手たちをたたえた。

同点の8回2死一、二塁で、今宮が中越えの決勝打を放った。「何が何でもという気持ちで、初球からいこうと思っていた」。日本ハム・トンキンの初球を逃さずに殊勲打。「昨日の勝ち方もすごかったし、今日もこういう勝ち方ができた」と言った。

今宮は今季、右肘の痛みを抱えたままプレーすることを選んだ。17日オリックス戦では移動前に病院で治療を受け、打撃練習も行わずに欠場した。ケアを施しながら、シーズンを全うする覚悟で戦っている。リハビリ中には飯田2軍打撃コーチから「運ぶように打ったら」とアドバイスされた。そこから打撃に変化が生まれ、飛距離が出るようになった。19日オリックス戦でも決勝本塁打を打ったが、この日も中堅手の頭上を越える長打で熱戦を終わらせた。

今季2度目、最長タイの6連勝で貯金も最多の7まで増えた。今日24日からは本拠地に戻り、西武と「首位攻防戦」として3連戦を戦う。工藤監督は言った。「あと3つ、自分たちの形を見失わないよう、目の前の試合を勝てるようにやっていくことが大事」。今宮も力を込めた。「日本ハムに3連勝して、いい流れに乗ってゲームにいけると思う。1球1球、すごく緊張すると思う。この3連戦で、決まる可能性が高い。明日からも頑張りたい」。逆転優勝へ負けられない戦いが続く。【山本大地】