西武菊池は「悔しいですね。むちゃくちゃ悔しい」と言葉を絞り出した。2位ソフトバンクとの直接対決3連戦。2勝すれば優勝マジックがつく状況で頭を任されたが、8回4安打3失点。今季初完投を記録するも、1点差で敗れた。

本塁打2発に泣いた。まずは初回。先頭の今宮に初球151キロを左翼へ放り込まれた。同点の3回には、1死から柳田に2ラン。1ボールからのスライダーで少し体勢を崩したが、二枚腰でバックスクリーン右まで運ばれた。「両方ともカウントを取りにいったボール。(2ランは)コースも甘くはなかったが、ボールどうこうより、柳田さんということを考えないといけなかった」と唇をかんだ。

4回以降はスライダーを低めに決め、三振を奪った。4~8回は無安打で駆け抜けた。苦しんできた今季ここまでとは異なり、本来の姿。辻監督は「今年1番。収穫です。今日の投球を見たらホッとした」。9回の攻撃。菊池はベンチから身を乗り出し応援した。願いは通じず、ソフトバンク戦はプロ入り以来18戦0勝13敗。ただ「勝ちはつかなかったけど、去年とは違う形を見せられた」と結んだ。悔しさを次につなぐ。【古川真弥】

▼菊池がソフトバンク戦でまた勝てなかった。これで同カードは通算18試合に登板して0勝13敗となり、菊池自身が昨年つくったデビューからの同一カード連敗記録を更新した。「デビューから」の条件を外しても同一カードで13連敗するのは珍しく、60~63年梶本(阪急)が南海戦で記録して以来、55年ぶり5人目。最多は55~59年大石(大洋)の巨人戦17連敗だが、パ・リーグでは梶本に並ぶワースト記録となった。他カードでは68勝を挙げ防御率2点台の菊池が、ソフトバンク戦では別人のようだ。