日本ハム中田翔内野手(29)が通算200本塁打を達成した。24日、楽天17回戦(札幌ドーム)の8回、楽天近藤から左中間へ放った23号ソロが節目のアーチとなった。史上103人目、球団5人目の快挙は、平成生まれのプロ野球選手として初の偉業。主将のメモリアルアーチでダメ押ししたチームは連敗を5で止め、消えたばかりの自力優勝の可能性も一夜で復活した。

上下のユニホームに赤土を付けた主将中田が、1週間ぶりの勝利を確信させた。8回2死。楽天近藤の144キロ直球を、しばいた。「(感触は)良かった」。23号ソロが左中間で弾んだ。平成最後のペナントレースで、平成生まれでは初の通算200本塁打達成。花束を受け取り、祝福を受けた。「どうでもいい。まだまだ、これから。ここで野球人生が終わるわけじゃない。でも、札幌ドームで打てて良かった」。200回目となる記念の放物線は、勝利に飢えたチームを、ファンを喜ばせた。

主力としての自覚がプレーに、成績に表れる。5回は、公称100キロの巨体を、あえて頭から本塁へ突っ込ませた。清宮のプロ初犠飛で、今季何度も見せる気迫のヘッドスライディングを披露。「(足からの)スライディングより、ヘッドスライディングの方が速い。ただでさえ、他の選手より足が遅いから」。もっともらしい根拠を並べてニヤリとし、本音を続けた。「点を取りに行く姿勢を見せないといけない」。この日も、チームを鼓舞した。

8月は20試合で打率3割1分3厘、5本塁打、14打点。勝負どころだからこそ、4番は打つ。蓄積疲労も佳境で「やってみたら、分かる。ずっと試合に出るのは、本当にしんどい」と、話したこともある。「でも、やらなアカン」。左胸にはキャプテンを意味する「Cマーク」がある。この日のスタメンはレアード以外、先発堀も含めて年下の高卒選手ばかり。体を張って結果も残す、頼もしい姿を後輩に見せられるから、若手も背中を追う。

「意地でも勝ちたかった」。負のスパイラルから抜け出すために必死だった。節目の1発より「連敗を止められたことが大きい」。首位西武とは1ゲーム差詰めても7・5差。「瀬戸際。僕らは、そう位置づけられている。でも、最後まで、みんなで上を向いてやっていくしかない。そうすれば、最後の最後、流れはウチに来る」。残り32試合。ここからが、主将中田の見せ場だ。【木下大輔】

▼通算200本塁打=中田(日本ハム) 24日の楽天17回戦(札幌ドーム)の8回、近藤から今季23号を放って達成。プロ野球103人目。初本塁打は10年7月20日のロッテ14回戦(札幌ドーム)で大嶺から。中田は89年4月22日生まれで、平成生まれでは最初に200本塁打を達成した。通算200号到達時に1度も犠打がなかった選手は15人目で、日本人では珍しく、67年張本(東映)75年田淵(阪神)05年小笠原(日本ハム)に続き中田で4人目となった。

▼中田が通算200号を楽天近藤から放ち、プロ入り11年目で133人から本塁打を記録。投手別では楽天美馬から最多7本をマークし、オリックス西から5本、西武十亀、ソフトバンク摂津、武田、ロッテ唐川から各4本を放っており、4本以上はすべて右投手から。球団別では楽天の40本が最多だ。