これぞエースの投球だ。ヤクルト小川が7回無失点で5試合ぶりの白星となる6勝目を挙げ、チームを勝率5割に戻した。1-0の7回2死二塁のピンチでは、130球目でこの日最速の150キロをマーク。「悔いを残さないようにしっかり腕を振った。気持ちで絶対に勝つと思っていた」。気迫のこもった今季最多の131球に「粘り強く投げられた」とうなずいた。

ブルペン陣のピンチも救った。球場到着後、中継ぎ左腕のハフがコンディション不良を訴えて登録抹消。時間的に投手の補充が難しく、中継ぎ陣は1人減の6人で臨むことになった。

中継ぎ陣を温存したい6連戦初戦に訪れたチームの危機。小川は動じず「何とか最低でも7回」と意を決した。直球主体にテンポを意識した投球で粘り強くゼロを並べた。「8、9回も行きたいところだったけど最低限の仕事はできたかな」とほほ笑む小川に、田畑投手コーチは「ライアンに尽きる。中継ぎが1人少ない中であそこまでよく投げてくれた」と最敬礼した。

小川の後を近藤と石山がつなぎ、3投手で初回の1得点を守り切って3連勝。小川は「普段は(打線に)助けてもらっているので、投手で勝つ試合をどんどん作っていければ、より強いチームになる」と力を込めた。【浜本卓也】