阪神岩貞は敗戦後、「負けて悔しいです…」とつぶやいた。7回1失点の好投だが、初回の1点が重くのしかかり7敗目を喫した。

初回1死一塁。打席には山田哲。1ストライクからの2球目。梅野が体ごと内角いっぱいに寄せ、ミットを山田哲の懐に構えた。だが144キロは真ん中高めへ。左中間にはじき返され、1点を失った。「あそこを粘りたかったというか…はい…」。痛恨の1球を振り返り、ため息をついた。

2回以降は小川にひけをとらない好投。5回は自らのバント処理悪送球、けん制悪送球で無死一、三塁のピンチを招いた。ここで山田哲を低めの142キロで見逃し三振、バレンティンは陽川がフェンス際で好捕して一邪飛、雄平は三ゴロ。6回、7回はギアを入れ直し、3人ずつで片付けた。

「(5回は)やってしまって頭が真っ白になったんですが、陽川のファインプレーに助けられて、粘れた。失点しなかったので(6回以降)流れを持って来られるように飛ばした」

5連続で週の頭を任された左腕。今季5勝中、3勝を挙げている甲子園のマウンド。打っては5回の打席で、三塁側へのファウルでテレビカメラを壊すハプニングもあった。だが、期待に応える仕事を果たしたとはいえ、残ったのは悔いばかりだった。【柏原誠】