2番手で登板した阪神岡本洋介投手(32)が、今季21試合目のマウンドで移籍後初勝利を飾った。出番は1点ビハインドの5回。先頭のロペスに左翼への二塁打を浴びたが、そこから踏ん張った。筒香には直球勝負を挑み、最後は外角低めいっぱいに決め見逃し三振。ソトは死球で1死一、二塁としたが、桑原、伊藤を退け無失点で切り抜けた。直後にチームが逆転し、初勝利が舞い込んだ。

「登板するときは、いつもとりあえずゼロで帰ってこようと思って投げてるので、今日はそれができてよかったです」

3月に榎田とのトレードで西武から移籍。「野球をプレーすることは一緒なので、特に変わらないです」。ユニホームと環境は替わっても心意気は変わらない。ロングリリーフに連投、ファームでは先発もこなすユーティリティーぶりを発揮してきた。いつも「任されたところで結果を出すだけ」と懸命に腕を振り続けるタフな右腕が、虎で刻んだ新たな1歩。「いつでもどこでも何も言わず黙々と投げてくれて本当に助かっていた。良かったです。うれしいですね」と金本監督も目尻を下げた。

満員の甲子園のお立ち台で「これからもどんどん強気に、攻めたピッチングをしていきたいと思います」と宣言。シーズンの佳境、ブルペン陣の一角としてフル回転する。【吉見元太】