中日笠原祥太郎投手(23)がプロ入り初の完封勝利を挙げた。直球は最速140キロ前後だったが、カットボール、チェンジアップで広島打線を翻弄(ほんろう)。

西川、会沢の下位打線に3本のヒットを許したが、タナキクマル、鈴木、松山の広島打線の看板たちを無安打に抑えきった。特に主砲鈴木にはこれでプロ入り以来、11打数無安打6奪三振。“誠也キラー”も継続させた。

「7回を終わってから(完封を)意識しました。朝倉コーチからいけって言われて、疲れてる感を出したんですが…。即答じゃなくて、いきますって答えました」。

8回は8球で3者凡退。その時点で125球。「8回を終えたら疲れがなくなった」。これまでの自己最多122球を超えた未踏の地で覚醒した。イニング間のキャッチボールを前回登板から外野側からベンチ方向へ投げるように変えた。「あれをやって(投球内容が)良かったので今回も続けた」と、必勝へのルーティーンも完成。プロ入り最多133球を投げ抜き、控えめなガッツポーズで記念の日を終えた。

負ければ優勝の可能性が完全消滅する危機も回避。本拠地での今季広島戦勝ち越しを決め、通算でも11勝11敗とリーグで唯一、5分と食い下がった。