ソフトバンク千賀が1発に泣き、オリックス相手に痛い1敗を喫した。1点リードの3回、無死一塁から小田の投手前バントで二塁に送球しようとしたが、千賀はひっかけ三遊間へ悪送球。その後、1死二、三塁とピンチを広げ、1番のルーキー山足に初球のフォークを左翼ホームランテラス席へ運ばれ、プロ1号逆転3ランを食らった。

千賀は「大事な試合で本当に情けない。自分のミスで走者をためて、抑えなければと必要以上に力んでしまった。(本塁打は)完全な失投です」と肩を落とした。8月は4戦4勝とエースとして申し分のない働きをした。9月初登板のこの日も、山足の1発以外は得点を許さず8回3失点と踏ん張ったが、昨季に続く2度目の5戦5連勝とはならなかった。

工藤監督は「失投はある。失投をなくせというのは無理。(バント悪送球は)もったいない。そこは練習してもらいましょう」と、本塁打を浴びたことは責めなかった。この日は仙台、千葉の遠征から戻り9日ぶりとなる本拠地ヤフオクドームでの試合で、午前中に羽田空港から空路で戻った。試合前のフリー打撃を半分にするなど、体調面を優先したが、オリックス先発ローチの手元で動く球を攻略できなかった。工藤監督は「この負けを受け止めて、明日(8日)やり返す気持ちが大事」。首位西武が勝ち、ゲーム差は再び5に開いた。残りは26試合、悔やんでいる暇はない。【石橋隆雄】