主将の1発が、甲子園ホームランショーの号砲だった。1点を追う5回1死一塁、巨人坂本勇が甘めの143キロに差され気味も、強く、右方向に押し込んだ。逆風の浜風とは違う、フォローの風に乗って右翼手糸井を後ずさりさせ、最前列に運んだ。左脇腹負傷前の7月10日ヤクルト戦以来となる14号2ランは逆転弾。自身甲子園12本目で初の右翼越え弾だ。「いい形で強いスイングができた。甲子園で入らないかなと思った」。感触を飛距離が上回った。

ゲレーロもキングの誇りを示した。岡本の2ラン後、2死一塁で無風の右翼へ15号2ラン。再昇格後は9戦5発で「去年の本塁打王の意地を見せられたかな。忘れないでほしい」と上機嫌。甲子園での1イニング3発はチーム5年ぶり。7回にはマギーが左翼へ19号ソロを放ち、15年ぶりの1試合4発が完成。坂本勇は“中締め”の岡本に「僕なんかよりホームラン打者の才能を持っている」と、たたえた。

▼巨人は5回に坂本勇、岡本、ゲレーロの3人が2ラン。巨人の1イニング3本塁打は8月18日中日戦の3回に記録して以来今季2度目で、阪神戦では甲子園球場で行われた13年9月8日の6回に高橋由、寺内、長野が打って以来、5年ぶり。今回のように3本とも走者を置いたケースは、07年4月15日ヤクルト戦の3回に李承■、阿部、ホリンズの3人が2ランを記録して以来となり、阪神戦では甲子園球場の92年6月21日の6回に岡崎、モスビー、大久保の3人が2ランを打って以来、26年ぶり。

※■は火ヘンに華