左翼ポールに直撃した白球を見届けた阪神藤川がうなだれた。左膝をついたまま動けない。1点リードの8回に暗転した。2死走者なしで宮崎に内寄りに沈むフォークをすくわれて同点被弾…。形勢は不利になった。

延長10回2死一塁。頼みの守護神ドリスがソトにフォークを打たれ、左翼へサヨナラ2ランを浴びた。勝てば3位巨人に0・5ゲーム差に肉薄していたが、再び勝率1厘差で単独最下位に転落。金本監督も「やりようがないですね。勝ちパターンを出して負けたわけですから」と嘆いた。

当初は、この日はメッセンジャーが先発する計画だったが、体の状態を整えるため、12日に登録抹消。急きょ、岡本を代役先発に抜てきしたが1回に3点を失った。金本監督も「もちろん(早めの継投は頭に)あったけど岡本が(1回に)一気に…」と振り返る。4回で降板させ、継投に入った。分岐点は8回だ。9番桑原から右打者が並ぶ攻撃だった。能見も控えていたが、7回を10球で抑えていた38歳藤川のイニングまたぎを決断し、裏目に出た。

指揮官が「球数も少なかったしね」と説明し、藤川も「最後、難しかった。最後の1ストライク、1アウト取ることがね。うまく打たれてしまった」と振り返る。39歳能見の救援を仰いでイニングまたぎで勝機を探ったが報われない。明日19日からは2位ヤクルト、首位広島と向き合う。正念場を迎えた。【酒井俊作】