DeNA加賀は引退マウンドに感謝の思いを込めた。「たくさんの人に支えられ、たくさんの人に恵まれて、ここまでやることが出来ました。9年間の思いを1球1球に込めて投げました」。4年ぶりに先発を務め、中日平田をスライダーで空振り三振。試合中に涙を見せることはなかったが、セレモニーで3人の子どもと夫人から花束を受け取ると目頭を押さえた。同期入団の筒香の惜別アーチは「ゴウちゃんの1発は本当にうれしかった。打席から『加賀さん、ありがとう』と言ってくれている気がしました」と目に焼き付けた。最後の投球を慣れ親しんだマウンドで締めくくった右腕。仲間に7回、胴上げされ横浜の夜空を舞った。

◆加賀繁(かが・しげる)1985年(昭60)4月13日、埼玉県生まれ。埼玉平成では投手と内野手を兼任。上武大から投手に専念し、4年秋にリーグMVP。住友金属鹿島を経て09年ドラフト2位で横浜入団。10年3月26日阪神戦でプロ初登板。11年から中継ぎへ転向。右のワンポイントリリーフとして活躍した。通算成績は279試合に登板して12勝22敗、防御率4・03。182センチ、84キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸3100万円。