日本ハム矢野謙次外野手(38)が今季限りで現役を引退すると発表した28日、イースタン・リーグ巨人戦(ジャイアンツ)で代打本塁打を放った。2点を追う6回2死二、三塁で古巣巨人の戸根から左中間へ一時逆転の1号3ラン。2軍戦での最後の打席。大歓声の中、フルスイングだった。

矢野 僕らしいというか、真っすぐばっかり投げてくれた相手の戸根君にも感謝だし、ジャイアンツのコーチの方も(直球勝負を)言ってくれていると思うので感謝。ウチも、僕の代打の時に前のピン(石井一)が(適時二塁打で)つないでくれた。最高の結果ですけど、それよりいろんな人の配慮がうれしい。感謝しかありません。

試合前、球団から今季限りでの現役引退が発表された。アップ中にはチームメートへあいさつ。練習中も巨人の後輩や首脳陣に頭を下げ、感謝の思いを伝えた。若手時代に泥だらけになって練習したジャイアンツ球場で、打撃練習後は内外野でノックを受けた。

試合後には、マウンド付近で両軍選手らから10度、胴上げされた。巨人からは2軍調整中の内海や沢村、山口鉄らも参加。「帰ってもいいはずなんだけど、残ってくれた」。明日30日からは1軍に合流する。「いつでも、行くぞと言われてもいいように準備したい。最後まで、やり切ります」。ラストランも勝負強く、駆け抜けていく。【木下大輔】